緩和ケア研修(在宅部門)のご報告
8月29日(金)、当院のトータルサポートセンター1階にあるカロリーカフェにて、あおぞら在宅クリニック 緩和ケア認定看護師 様にお越しいただき、緩和ケアに関する研修を開催しました。今回の研修は、緩和ケアの歴史から最新の動向、そして利用者様とご家族に寄り添うケアの重要性について、改めて考えるきっかけとなりました。
講演の主な内容:「緩和ケアの基礎」
- 緩和ケアの歴史と現状: 緩和ケアの活動は、1973年に日本で始まった意外に古い歴史を持っています。以前は「治療ができなくなった後に行うもの」という考え方が主流でしたが、現在は「診断時から治療と並行して行う」という考え方に変わってきています。また、がんだけでなく、心不全や老衰など、全ての生命を脅かす疾患が対象となることを学びました。
- 全人的苦痛へのアプローチ: 緩和ケアは、身体の痛みだけでなく、精神的、社会的、スピリチュアルな「全人的苦痛(トータルペイン)」に対応することが大切です。特に、患者さんご自身の「生きる意味」や「苦しみの意味」といった、捉えにくい苦痛にも寄り添う重要性を再認識しました。
- チームケアの重要性: 終末期を迎えた患者さんとご家族を支えるためには、医師や看護師だけでなく、薬剤師や医療ソーシャルワーカーなど多職種が連携し、情報を共有しながらケアを提供していくことが不可欠です。
今回の講演を通じて、利用者様やご家族の「自分らしさ」を尊重したケアがいかに重要であるかを再認識しました。
在宅では、利用者様の「最期までトイレに行きたい」「好きなものを食べたい」といった思いを尊重し、身体的、精神的、社会的なあらゆる苦痛を和らげることで、利用者様の生活の質(QOL)向上を目指しています。これからも、利用者様とご家族に寄り添い、共に歩んでいけるよう、在宅スタッフ一同努めてまいります。