物忘れ外来
当院の認知症予防への取り組み
もしかして認知症・・・?まずは早めの受診を「最近もの忘れがひどくなった」「新しいことをなかなか覚えられない」など認知症について不安や心配のある方は、当院の物忘れ外来へご相談ください。
物忘れ外来
認知症の早期発見と早期治療予防を目的とし、認知症について不安や心配のある方がどなたでも受診し、相談できる診療科です。
検査内容について
- ブイエスラド(VSRAD)分析(MRIを用いて、海馬傍回付近における脳の萎縮の度合いを検査します)
- MMSE / HDS-R(長谷川式認知症スケール)
- 血液検査、認知機能に関する蛋白質やビタミン、微量元素等を測定します。
- 軽度認知障害(MCI)スクリーニング検査 ※別途費用
軽度認知障害(MCI)とは
記憶力などの認知機能は低下しているが、日常生活には大きな支障が出ていない認知症と正常の中間の状態を「軽度認知障害(MCI)」と言い、認知症になる一歩手前の状態と言われています。この状態が進み日常生活への支障が大きくなると、認知症と診断されます。国の推計(2012年)によると認知症の高齢者は462万人に対し、MCIは400万人もいると報告されています。MCIの段階で適切な介入を行うことで、認知症の発症を予防もしくは遅らせることができると分かってきています。
ご相談・ご予約
ご相談・ご予約はこちらまでお電話ください。
096-339-1161軽度認知障害(MCI)スクリーニング検査
当院では認知症の予防目的で軽度認知障害(MCI)スクリーニング血液検査を行なっています。
22,000円(税込)認知症で6~8割を占めるアルツハイマー病は、その原因となるアミロイドベータタンパク質(Aβ)が脳内に少しずつ蓄積することにより発症します。Aβは神経細胞にダメージを与え、記憶障害や認知機能の低下を引き起こします。
この検査では、Aβを脳内から排出したり、毒性を抑制したり、炎症を和らげるなど神経細胞へ与えるダメージを抑制する3種類のタンパク質(APOA1、TTR、C3)の量を血液で調べることにより、MCIのリスクを判定しています。
診察から検査までの流れ
初診 | 血液検査 |
---|---|
3~4週間後 | 検査結果説明 |
検査について
検査について気になる方は、こちらまでお電話ください。
096-342-5470アルコール感受性検査について
ご自身のアルコール体質を遺伝子レベル(口腔粘膜)で知ることにより、お酒に強い(飲める) 、弱い(飲めない)を判断するだけでなく、「飲酒による健康障害のリスク」回避に役立てます。「お酒での問題や不安がある」「自分の体質を知りたい」「アルコール健康障害が心配だ」このような時におすすめです。
【自費診察】
料金 6,600円 (税込)
アルコール感受性遺伝子検査とは?
アルコールは体内で最初にADH(アルコール脱水素酵素)で分解され、アセトアルデビド(頭痛や吐き気の原因)になります。さらにALDH2によって分解され、酢酸になります。日本人ではADHとALDH2の酵素活性に個人差があり、強さが9タイプに分類されます。アルコール問題に経験豊富な医師が結果のご説明とアドバイスを行います。アルコールに伴う健康障害の発生や予防や治療に役立ちます。
検査について
検査について気になる方は、こちらまでお電話ください。
096-342-5470熊本地震後の物忘れについて
当院では認知症の予防目的でMCI(軽度認知障害)スクリーニング血液検査を行なっていますが、熊本地震後の約1年間で検査結果の陽性率が上昇していました。また、頭部MRI検査では、熊本地震後に記憶と関係の深い海馬部分の体積減少が確認され、さらにこれらの検査結果に男女差が認められました。認知症ではない男性では、地震直後から海馬萎縮のリスクが高く、同女性ではApoA1とTTRに変動がありました。地震被災後のストレスを伴う環境でMCIバイオマーカーに性差が認められました。最新の全国での研究では脳内にアルツハイマー病の原因物質が蓄積していて、認知症の前段階といわれるMCIと判定された日本人の6割が、3年以内に認知症に進行したとの結果を東大など38の研究機関チームが発表しました。
学会発表実績
2021年11月26日 | 第40回日本認知症学会学術集会(東京)にてポスター発表を行いました。 P038「熊本地震後の女性左側海馬体積減少とe4因子保持者のMCIリスク上昇について」 In women left hippocampal volume reduction in the aftermath of The 2016 Kumamoto Earthquake and the risk of MCI increased in APOE4 carriers |
---|---|
2020年11月26日 | 第39回日本認知症学会学術集会(名古屋)にてポスター発表を行いました。 「家族と同居している女性の地震被災後のMCIリスク上昇及びC3値低下について」 Increasing MCI risk and decreasing complement C3 after earthquake disaster among woman living with family |
2019年11月8日 | 第38回日本認知症学会学術集会(東京)にてポスター発表を行いました。 「熊本地震後のAβ排泄関連バイオマーカー変化及び海馬体積減少における性差」 Sex differences in biomarkers related to Aβ clearance and in the decrease of hippocampal volume after The 2016 Kumamoto Earthquake of magnitude 7.3 |
2019年3月28日 | 国際学会 AD/PD 2019(リスボン) にて筑波大学内田和彦准教授との共同研究として口頭及びポスター発表を行いました。 「熊本地震後のMCIリスク上昇とアミロイドβ排泄に関与する蛋白質の血清レベル変化について」 Altered serum levels of proteins involved in Aβ clearance in the aftermath of The 2016 Kumamoto Earthquake |
当院では、東京医科歯科大学特任教授朝田隆先生のご指導にてMCIや認知症の早期発見に取り組んでいます。また、地域の医療機関等や筑波大学、熊本大学、国立精神・神経研究医療センターのご協力にて認知症予防の研究も継続しています。
認知症予防研究に関するご案内
日本の超高齢化社会において、喫緊の課題である"認知症予防"。
当院では認知症やその前駆段階の軽度認知障害(MCI)の診断のための様々な検査や研究 を実施しており、認知機能低下の早期発見と早い段階での介入・治療に取り組んでいます。当院の心療内科部長 佐藤 正医師の研究によると、熊本地震後に血液検査や頭部MRI検査結果に変化が捉えらえ、近年甚大な被害をもたらした令和2年7 月豪雨やコロナ禍の影響による認知機能低下リスクが今後高くなることが考えられています。これらを踏まえ当院では、今後の認知症予防に役立てるために観察研究を開始することといたしました。
研究1
【研究課題名】
「物忘れ外来ならびに健診受診者の認知機能ならびに脳画像ならびに血液検査に関する観察研究」
研究協力機関/(株)MCBI社、国立大学法人筑波大学医学医療系、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 脳病態統合イメージングセンター
研究の目的 | 認知症予防は高齢化社会における喫緊の課題であり、早期の発見と早い段階での介入・治療が求められています。認知症やそ の前駆段階の軽度認知障害(MCI)の診断のための検査はいくつかありますが、認知機能検査、身体機能評価、血液検査、脳 MRI画像検査などを実施することで、認知機能の低下を早期発見できる可能性があります。 |
---|---|
研究対象者 | 2020年11月から2024年3月までに武蔵ヶ丘病院を受診した方 |
研究期間 | 倫理審査委員会承認後~2025年3月31日まで |
研究の方法 | 脳MRI画像、認知機能検査、身体機能(行動特徴)検査、血液検査などから、認知症の早期発見をおこないます。 |
試料・情報の項目 | 一般調査(身長、体重、発達歴、教育歴、現病歴、生活状況など) / 血液検査(血液一般生化学検査と血液バイオマーカー) / 脳MRI / 認知機能検査 / 身体機能検査(体力測定:筋力、歩行等、行動特徴検査:音声、視線、運動)など |
試料・情報の第三者への提供について | 本研究で得られた身体機能検査および認知機能検査の結果は、個人情報を匿名化した形で共同研究先の株式会社MCBIに提供し、 データ解析を行います。 |
試料・情報の管理について責任を有する者 | 武蔵ヶ丘病院 佐藤 正 |
研究機関名および研究責任者名 | 武蔵ヶ丘病院 佐藤 正 |
本研究への参加を希望されない場合 | 患者さんやご家族が本研究への参加を希望されない場合は、下記の問い合わせ先へご連絡ください。 すでに研究結果が公表されている場合など、ご希望に添えない場合もございます。 |
当院では、東京医科歯科大学特任教授朝田隆先生のご指導にてMCIや認知症の早期発見に取り組んでいます。また、地域の医療機関等や筑波大学、熊本大学、国立精神・神経研究医療センターのご協力にて認知症予防の研究も継続しています。
研究1に関する問い合わせ
武蔵ヶ丘病院(〒861-8003 熊本県熊本市北区楠7丁目15-1)
【担当者】心療内科部長 佐藤 正
研究2
【研究課題名】
「薬物代謝酵素の遺伝的多型と疾患感受性及び副作用発現に関する研究」
この研究は、熊本大学の倫理委員会による審査を受け、平成22年9月10日付けで承認されています。
研究責任者および研究担当者 | 【施設研究責任者】 佐藤 正(医療法人田中会武蔵ヶ丘病院 心療内科部長) 【施設研究担当者】 佐藤 正(医療法人田中会武蔵ヶ丘病院 心療内科部長) 【研究責任者】 鬼木 健太郎(熊本大学大学院生命科学研究部薬物治療設計学講座 准教授) 【研究担当者】 鬼木 健太郎(熊本大学大学院生命科学研究部薬物治療設計学講座 准教授) |
---|---|
研究実施場所 | 【試料の解析】 熊本大学大学院生命科学研究部薬物治療学分野 熊本大学大学院生命科学研究部微生物薬学分野 熊本大学大学院生命科学研究部生命分析化学分野 熊本大学生命資源研究・支援センター |
【解析結果の分析】 熊本大学生命科学研究部循環器内科学分野 熊本大学大学院生命科学研究部薬物治療学分野 |
|
研究目的 | この研究は、メタボリックシンドローム、糖尿病、心血管疾患、認知症などの病気の罹りやすさや、薬の副作用の出やすさが、 生まれながらの体質と関係することを、ご提供いただいた試料(血液)から取り出した遺伝子の形を調べることによって明 らかにし、副作用や生活習慣病の個別化予防につなげようとするものです。 |
研究方法 | 検査のために採血された血液の一部(残り)と検査結果のご提供をお願い致します。採取した血液は、遺伝子解析を行う 熊本大学大学院生命科学研究部薬物治療学分野において、血液の中に含まれるDNAという物質を分析します。具体的には、 「生活習慣病の罹りやすさ」や、「薬の副作用の出やすさ」と関係する可能性のあることが分かっている薬物代謝酵素や、炎症・ 酸化ストレスに係る約30種類の遺伝子(病歴や使用している薬によって調べる遺伝子の数や種類が違います)について、 その形の違い(遺伝子型)を調べます。また、必要に応じて血中のビタミンやミネラル、酸化ストレス、ホルモンや炎症 の指標を測定します。その際、必要に応じて検査会社(エスアールエル株式会社等)や共同研究機関(国立循環器病研究 センター研究所)に血液試料(血漿または血清)を送付し、測定を委託することがあります。それらの結果と検査結果を 総合的に解析し、それぞれの体質に合わせた生活習慣病や副作用の予防法を開発します。 |
当院では、東京医科歯科大学特任教授朝田隆先生のご指導にてMCIや認知症の早期発見に取り組んでいます。また、地域の医療機関等や筑波大学、熊本大学、国立精神・神経研究医療センターのご協力にて認知症予防の研究も継続しています。
研究2に関する問い合わせ
武蔵ヶ丘病院(〒861-8003 熊本県熊本市北区楠7丁目15-1)
【担当者】心療内科部長 佐藤 正
認知症予防プロジェクト
当院では、「武蔵ヶ丘病院 認知症予防プロジェクト」としてカロリーカフェ(武蔵・大津トータルサポートセンター1階)で、地域の方へ向けて月に4回程度認知症予防のためのイベントを開催しております。
現在、新型コロナウイルス感染防止のため実施しておりません。再開いたしましたらHPでお知らせさせていただきます。